おはようございます。稲垣陽子です。
目標達成、目標設定・・など、
目標という言葉を聞くとどんな印象を持ちますか?
以前、クラスで目標について話し合ったのですが、
やることが明確になってやる気が増すという人もいれば、
窮屈に感じる、プレッシャーになるという人の二手に分かれました。
後者の、目標をポジティブに捉えづらい人にその理由を聞くと、
・過去に目標を立てたが上手くいかなかった失敗の歴史を思い出す
・できないことで未完了感がたまりその印象の方が強い
・やりたいではなく、やらねばならないに変わり楽しめない
・未来に不確定要素が多すぎる中だと無理矢理感がでてしまう
などなどの意見が出てきました。
なるほど、これでは目標を持とうとは思えないですよね。
話は変わりますが、阪神タイガースがセリーグ優勝を果たしましたね。
岡田監督はシーズン中、
決して「優勝を目指す」など「優勝」という言葉を
使わなかったと言われています。
その代わりに「あれ」と言い続け、「あれ」が話題になっていますね。
実際に、9月末ごろ大阪の方と話をしたら
「あれ」「あれ」と言葉の端々に「あれ」を入れて話していて、
笑いをとっていました。
なぜ、岡田監督は「優勝」と言わずに「あれ」と言い続けたのか?
岡田監督は「要らんこと言うたらおかしくなる」と言っています。
雑誌の記事にはこのように書いてありました。
—
「優勝」へ向かう「船」の舵を取り、
方向性を示すのが船長の岡田なら、
コーチたちは安全航行のために、船の中の持ち場で、
それぞれの役目をこなすことが大事なのだ。
なのに船内より、船外の方に意識が向いている。
地に足がついていない。
「そやから俺、言うたんよ。
『そんなしょうもないこと、絶対言うな』って。
その気になったら、アカンということよ」
—
(文春オンラインより引用 https://bunshun.jp/articles/-/65734 喜瀬 雅則氏執筆)
つまり、優勝とは「外側」の結果のことであり、
選手やコーチが意識を向けるのはそこではなくて、
目の前にある「内側」の自分自身がやるべきことである。
日々、自分のベストを尽くすことに精力をかけるのが選手の役割であり、
それをサポートするのがコーチの役割
と言うことを伝えたかったんだと思います。
そのために、「優勝」を意識させて変な力を選手に入れさせないために
岡田監督は「あれ」と言ったんだろうと思います。
岡田監督の視点から私が学んだことは、
よい目標とは自分が今やるべきことに
集中できることだと思いました。
未来を頭の片隅に置きつつ、
今やるべきことが明らかになっていて、かつ、
それに対して意欲や可能性を感じるだけのゆとりがある、
そんな目標が人のモチベーションや継続性につながるのだと思います。
それにしても「あれ」。
「あれ」と言うだけでクスッと笑える感じがあります。
堅苦しさが抜けて柔軟性も出てきます。
さすが関西人の笑いのセンスですね。
未来に可能性を感じるには、
ゆとりや柔軟性が必要なんだとも教えてくれる例でした。
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