おはようございます。稲垣陽子です。
私は大のドラマ好き。
7月から始まるドラマも楽しみにしているのがいくつかあります。
その中で、考えさせられたドラマがあったので今日はそのお話を。
番組は「最高の教師〜1年後、私は生徒に●された」
番組サイトはこちら
第2話です。
主人公は高校の先生。
詳細は省きますが、あることをきっかけに
本気で生徒に向き合うことを決めた先生のお話です。
しかも、先生のキャラクターは一昔前の学園ものにある熱血タイプではなく、
冷静でしたたかなダークヒーロータイプという設定で、
少しおどろおどろしい雰囲気でもあります
第2話は貧乏な家族のために
バイトを掛け持ちしている男子生徒の話でした。(以下、物語のネタバレです)
生徒は母子家庭で弟もたくさんおり、
中学生の頃からバイトを掛け持ちして働き、
お母さんにお金を渡してきました。
しかし、お母さんは、そのお金を男に貢いだり、
自分の化粧品や洋服などに使ってしまいます。
とうとう生活も立ち行かなくなりそうになりました。
ある時、生徒は意を決して家を守るために借金をし、
お母さんにお金を渡します。
そして、このお金で借金を返すよう頼みます。
しかし、お母さんは、そのお金を見て喜び、
また自分の欲しいものを買おうとしました。
それをみた生徒は反発をしますが、お母さんはすごい剣幕で
「お前は感謝の気持ちを忘れたのか、学校行かせて、食わせてやったのは誰か!」と詰め寄ります。
そう言われて生徒は何も言えなくなってしまいます。
そんな時に、先生が登場して・・・・と、なったのですが、
普通の物語なら大逆転となり、親が反省してめでたし、となりますが、
この物語はそこでは終わらなかったのです。
めでたし、となったところでもう一歩、先生は生徒に詰め寄ります。
言いたいことは本当にそれだけですか?
言いたいことは全部きちんと言えましたか?
大人はあなたの期待に応えてくれましたか?
と、生徒に問いかけます。
その投げかけで、生徒は「許さね〜〜〜〜!」という怒号と共に、
強い怒りを爆発させたのです。
なぜ許さなければならないのか、
おれはあんたの何なんだ!
俺は絶対許さない。
ここまで言って初めて母親に息子の声が届き、
真摯な歩み寄りがあり、演技とは言え、
この母親はこれで少しは改心するだろうと
思わせるそんなシーンとなりました。
これは物語なので、実際にはこんなにうまくいくことはありませんし、
言われた方もたまったもんではなく、
別のトラウマが発生する可能性もあります。
ただ、自分の中にある、言いたいことをきちんと言うことの強さを
教えてくれるストーリーだったのではと思います。
私たちはほとんど、
本当に自分が思っていることを言えません。
例えば、この生徒のように
矛先を緩めてしまうことはよくあります。
他から見たらひどい親でも、
育ててくれた親を裏切ることを子どもはできません。
お母さんも大変だったから・・など相手の状況を踏まえて、
つい矛先を緩めてしまうなんてことは、
こんなケースに限らず、日常でもよく起こります。
また、自分の言いたいことは
周りに悪影響を及ぼすと思っている人もいます。
自分の思っていることを言ったら相手を傷つけるのではないか、
自分が思っていることの方が間違っているのではないか、
無意識ですが「いい子」でいようとする思いが強いと、
言いたいことは言えません。
そもそも、自分が何を思い、
何を本当は伝えたいのか、わかっている人の方が稀でしょう。
でも、時には、矛先を緩めることなく、いい子でいることも脇に置き、
自分が本当に思っていることを言語化してみることをお勧めします。
実際にそれを伝えなくても、
自分を大事にできている感覚が芽生えるだけで、
相手との関係性も変わってくるかもしれません。
参考動画
言いづらいことをサラリと伝える極意(youtube)
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