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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】ダルビッシュ選手から学ぶ エゴを超えたリーダーシップとは

おはようございます。稲垣陽子です。

先週終了したWBC。
侍ジャパンの活躍に心躍った方も多いことでしょう。
私も予選からしっかり日本を応援しました。

活躍した選手はたくさんいましたが、
私はダルビッシュ選手の言動がとても心に残りました。

報道で見る限りでしたが、ダルビッシュ選手は海外組にも関わらず、
強化合宿から参加をし、積極的にチームメイトへアドバイスをしたり、
親睦を深めるために食事に誘ったりしたと報道されていますよね。

これらの行動は誰かに指示されたのでしょうか?
もちろんそんなことはなく、ダルビッシュ選手の意志だったと思います。

チームが優勝するために自分は何をすべきなのか。
見本も手ほどきもありません。
その中で自分がどんな行動を取ればいいのか考えて率先して行動する。

その言動はまさに「リーダーシップ」のお手本だと思いました。

トランスパーソナル・リーダーシップ

リーダーシップを発揮するためには自分を熟知している必要があります。
自分は何者で、目的のために何ができて何ができないのか。
自分の一挙手一投足にどんな意味があるのか。
自分を客観的、主観的に観察し、
自分の見たくない部分も含めて、深く認知する必要があります。

見本のないところを見本のように振る舞う
その姿勢がまさに「リーダーシップ」だと感じました。

最近リーダーシップを表す言葉として
「トランスパーソナル・リーダーシップ」という言葉があります。

トランスパーソナル・リーダーシップについては、
坂本路子さんが翻訳をした著書(*1)が大変参考になるので、
そこから引用させていただきます。

「トランスパーソナル・リーダーとは、
個人の能力を高め学び続けながら、エゴを超えて働くこと。
感情的知性と思いやりを持ちつつも、ラディカルで倫理的で本物であること」(p34)
と書いてありました。

その境地に至るには一筋縄ではいかないようですが、
中級レベルとして目指す姿勢は
「強靭で感情的に気づきのあるリーダー」だそうです。

それはどんなリーダーなのでしょうか。
(以下、引用)

「強靭とは、内なる自信に満ち溢れ、思ったことを躊躇なく口にし、
正しいと思えば進んでリスクを取り、
メッセージを明確に伝えることができるレベルのことを指す。

また、批判を個人的に受け止めず、厳しい決断を下し、
人と接するときは透明性を保つことができる。
これは決して独断的で頑固ということではなく、
理性と感情の両面でより良い理解のために明確であることを意味する。[中略]

また、強靭なリーダーは、人々の感情、特に自分の行動が他者の考え方やパフォーマンスに
どのような影響を与えるかを意識し、敏感になる必要がある。
感情的に気づきのあるリーダーは、事実と認識の両方を扱い、
偏見を避け、差別を撤廃し、
そして、何よりも、相手に対する真の関心と理解を示し、
それを行うことで指導する人々のパフォーマンスと信頼感の向上に貢献できる。
これらの要素が揃うことで、
人々がついていきたいと思うリーダーを形作ることが可能となる。」(69P *2)

まさに、ダルビッシュ選手が行ったリーダーシップを
表しているのではと思います。

目的、使命に向けて自分のエゴを超えて行動する。

栗山監督がインタビューで
「ダルビッシュはチームのために動いていて、
自分の調整ができずにきっと苦しかったと思う」
と言って謝っていました。

実際に自分の調整を二の次にして若手の投球を見たり、
指導やアドバイスをしていたそうです。
自分のことだけを考えれば本人の心には葛藤もあったことでしょう。

しかし、自分の感情を客観的にみつつも、倫理的な判断をし、
チームの大いなる目的、使命に向けて
自分のエゴを超えて見本のない行動を見本のように行動する。

その姿勢が多くの人を鼓舞し、
結果として勝利を呼び込む一助になったのではと思います。

ダルビッシュ選手のような影響力のあるリーダーシップを取ることは
すぐには難しいかもしれませんが、自分の行動と感情に意識を向け、
まずは一歩、目指す目的に向けて、
エゴを脇に置いて行動することから始めてみるのはいかがでしょうか。
私もトライしてみようと思います。

*1 『エゴを超えたリーダーシップ : 次世代型リーダーになる為の教科書』
ジョン・ナイツ , ダニエラ・グラント, 等著
坂本路子翻訳 詳細はアマゾンへ

*2 引用箇所の原文はこちらをクリック

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大学院に行かせていただくことになりました 南山大学人間文化研究科教育ファシリテーション専攻
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