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メルマガ「共創コーチング®」未分類稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】ピグマリオンエフェクト

おはようございます。稲垣友仁です。

僕が勤務していた中学校では、
文化祭になると地域の文化ホールを借り切って、
学級ごとに演劇を披露し、他の学級と競いあっていました。
本格的な環境でやらせてもらえたので
演劇のレベルはすごい高かったように思います。

快挙の裏にあったもの

教師になって4年目、
中学校1年生の担任をしていた頃の話です。

僕が演劇に関わって4年目、
今年こそはいい演劇を行ない、
生徒を団結させたいと意気込んでいました。

演劇は主役を含めた主要な配役の演技が
とても大切になってきます。
なのでキャスティングはとても大切になるのですが、
この年は、生徒の主体性を大事にしたいと思い
一切口出しせずにキャスティングを生徒達に任せました。

そうしたら、この年はとても出来が良くて、
文化祭で全校優勝しました。
1年生が3年生を抑えて優勝することはほぼなかったことなので、
周りからは快挙だと言われました。

他のクラスは、
主要な配役を演技が上手いエースを当てて望んでくるのですが、
うちは何も考えずに決めて優勝したので、
主役級の配役についていろいろと質問されました。

「あの生徒は小学校ではヤンチャで周りと協調性がなく、
あの生徒がセリフを言っているだけでもすごいと思ったのに
主役級のセリフを全部覚えて
しかも熱演できるなんて信じられなかったけど、
どうやって育てたの?」
と言われました。

自分はビックリしました。
「えっ、あの生徒はそうだったの?知らなかった」

本当に知りませんでした。
彼は自分から主役級の役をやりたいと自ら手を挙げた粋な生徒だなと感じ、
スポーツでも頑張っていたので彼ならやれると信じていました。
セリフは覚えるの苦手だったんだ。
大変な思いをさせたかなあと思いました。

そのような事前情報があったら、
もしかしたら他の生徒がよかったかなあとか思い、
迷ってその生徒を育てられなかったかもしれません。

期待が相手に伝わる

ピグマリオン効果(pygmalion effect)というものをご存知でしょうか?

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ピグマリオン効果とは、
教育心理学における心理的行動の1つで、
教師の期待によって学習者の成績が向上することである。
・・・ちなみに、教師が期待しないことによって
学習者の成績が下がることはゴーレム効果と呼ばれる。
ウィキペディアより
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ということで、この時の体験は、
ピグマリオン効果がかかっていたように思います。
いい風に思い込んだかなと。

上記の文化祭では、
僕は遠慮は一切せずに
主役級の生徒たち4名をガンガン鍛えました。
厳しい要求をたくさんしていましたが、
全員ついてきてくれました。

ただ、その生徒の素性を知った次の年の文化祭は
全くダメな結果になりました。
不思議なものですね。

相手と対峙する時に
相手に期待しているかどうかということについては、
リーダーはかなり自覚的に
配慮をしていかなければいけないと思います。

事実を捻じ曲げて思い込むことは良くないと思いますが、
相手の素晴らしいところと課題について把握した上で、
「期待している」ということが伝わる行動をとること
何より大切かと思います。

またそれと同時に相手に対して
「期待してない」というメッセージを出していないか、
悪影響を与えていないか
常にチェックしないといけないなと思った出来事でした。

参考文献:
●ウィキュペディア
ピグマリオン効果
https://mshn.jp/r/?id=165r73131&sid=4758

●石田裕久 他
ファシリテーター・トレーニング
13教師の指導信念と授業p56-59
https://mshn.jp/r/?id=165r83131&sid=4758

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