おはようございます。稲垣陽子です。
Aさんは女性新任中間管理職。仕事に、家庭に日々奮闘しながら活躍しています。
でも、本人は「自分は管理職に向いていない」と思っています。
周りのリーダーがどの人もすごく見えて、とても自分にはあんな力がないと思ってしまいます。
そんなAさんの状況についてコーチングで話を聞きました。
上司からはなんて言われているの?と聞くと
「大丈夫、あなたならできるわ」「●●●をしてみたら?」など、言われるとのこと。
確かに、Aさんは冷静で気も効くし、仕事ができない人には見えません。そう言いたくなる上司の気持ちもわかります。
でも、Aさんはそう言われても、やる気よりもプレッシャーが高まる様子。頑張ろうと思うけれど、頑張れないのです。
そこで、私はさまざまな視点で話を聞き、思考がほぐれた頃に「今、上司から声をかけられるとして、やる気が湧いてくる究極の一言はなんですか?」と聞きました。
すると彼女は・・・なんて言ったと思いますか?
答えは「そのまままでいいよって言われたい」でした。
「そのままでいい」
もしそんな言葉をかけてもらえたら・・今のままの自分で十分OKが出されたような気持ちになり、Aさんは想像するだけで心の中の緊張感が緩んでくるようでした。
どうですか?みなさんは「そのままでいいよ」と言われたらどんな気持ちになりますか?
実際に「そのままでいい」と言われても、この言葉を受け入れることは、それほど簡単ではありません。
例えば、自分の成長が止まりそうで受け入れ難いと思う人もいると思います。
自分の欠点ばかりがみえて「そのままの自分が嫌だ」と思う人もいるでしょう。
今のままでも十分OKだと思うことは誰もがすんなりできることではないのです。
でも、さらに上を目指したい成長したいと思っているのなら、まずは今の自分にOKを出すことをお勧めします。
なぜなら、そのままの自分にOKが出ないと、さらに上を目指そうとするやる気も自信もでてこない、あるいは出てきてもすぐに枯渇してしまうのです。
OKを出すというのは、すごい自分だから、それを探してOKを出すという意味ではありません。
今のあなたそのもの、あなたという存在にOKを出すことです。
南蔵院の林覚乗さんという方が言うには、一人の人間が、一日に影響を与える人数はだいたい、200から300人だそうです。
道ですれ違う人、お店の店員など・・・。あなたが存在し生きている、それだけで誰かに影響を与えています。それだけで、十分に価値があり意味があるのです。
ぜひ今週は「足りない自分」ではなく、「そのままの自分」にOKを出すことからスタートしてみませんか。
そこからスタートすると、いつもよりリラックスできて、新しいことにチャレンジする勇気が湧いてくるかもしれません。
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