おはようございます。稲垣陽子です。
私の主人はご存知の方も多いかと思いますが、元学校の先生です。
そんな「元教師」という肩書きのおかげで、時々受講生からこんな言葉をもらうことがあります。
それは、
「私は、ずっと変わっている子と言われてきました。学校では自分みたいな人は受け入れてもらえないし、理解されない感じがずっとしていた。だから、学校が苦手。先生も苦手。
でも、元教師の稲垣さんから『そのままでいいんだよ』と言ってもらって救われたような気がしました。」
同じような感想を主人に伝えた人は、今までも少なからずいました。
つまり、「私は変わっている」「だから理解されない」そう思って生きている人は、実は少なくないのだと思います。
「自分は理解されない」と思って生きることは、辛いし寂しいことです。
理解されていないと思えば、自分の力を思いっきり出すことを躊躇してしまうでしょう。
自分がすることに自信も持ちづらくなるかもしれません。
逆に、自分は理解されていると思えば、人は自己効力感が高まり、継続的で力強くなるのだと思います。
では、「自分は理解されない」と思う人を前に、コーチができることは何でしょうか?
1、理解しようとして相手の話を聞く
以前、知人のスクールカウンセラーから子どもが心を開きやすい大人は
・理解してくれる人
・理解しようとしてくれる人
だと教えてもらいました。
つまり、人は自分と資質が違うタイプであれば、相手の言動が不可解だったり、理解しかねるということはよく起こります。
よって、真に理解することは難しいかもしれません。
しかし、理解しようと歩み寄ることはできると思います。
具体的には、自分とは意見は違うけれど、そう思っているんだね、そう考えているんだねと、相手を変えようとするのではなく、まずは相手の考えを理解しようと受け入れて聞くことです。
往々にして、人は聞いてもらったという実感があると、相手に対して「理解しようとしてくれた」という感覚を持ちます。
2、才能と捉えて未来をイメージする
周りからいつも理解されない、変わっていると思われる・・・ということは、裏を返すと、人にはない特異な才能があるとも言えます。
それを見つけて伝えてあげましょう。
以前主人が学校で研修をした時のことです。
パワフルでどんどん意見も言ってくる男子生徒がいました。場をかき乱す感じもあったので、学校の先生は手を焼いているようでした。
しかし裏を返すと、自分の意見を持っている、正義感がある、と言うこともできます。
そこで、主人は、「君みたいなタイプで弁護士になった人を知ってるよ」と言ったそうです。
するとその子はとてもびっくりして、でもすごく嬉しそうだったそうです。
3、「普通」な部分をフィードバックする
自分は変わっている、理解されないとなぜ思うのか。
それは周りと較べているからです。
周りと較べて、「自分は変わっているのかも」、「あの人は理解されているのに自分は理解されない」などと思う人は、視点を変えると、自己意識が高いとも言えます。
もしかしたら、自分が一番人と較べて自分を異質なものと扱っているのかもしれません。
よって、それは普通だよ、人としては普通の行動だよと、その人の「人として普通」な部分を見つけて、フィードバックしてあげると良いでしょう。
以前も、「それは馴染めないのが普通だよ」と主人が伝えたことで、ホッとした顔をした人がいました。
あなたの才能なら、周りと違うのは「普通」だよ。その才能なら、そういうことをするのは「普通」だよ。
特に、「自分は変わっている」と思っている人にとって「普通だよ」というメッセージはインパクトがあります。
「自分は変わっている、人に理解されない、自分は人と違うのかも」、そんな思いで息苦しくなっている人が近くにいたら、上記の3つを試してみてください。
では、今週も素敵な1週間になりますように。
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