おはようございます、稲垣友仁です。
私は以前、公立中学校・小学校の教師として14年間、学校現場にいました。
学校教育の現場は、ものすごくマネージメント能力が問われる現場です。
生徒は若く、多種多様なタイプが存在し、それに合わせていかなければならない。
また、同じ職員である教師も年齢の幅が広い。
何よりも、親とコミュニケーションをとるのは大変です。
有名な大学を卒業した親から、夕方から酒を飲んで暴れている親まで、公立学校では様々なタイプの親に出会います。
そして、教えるということは、ただでさえ難しいのに、集団に対して教えていかなければなりません。
集団で学力差が大きかったりすると、どこに合わせて教えていけばいいのか非常に難しくなります。
学力が低い生徒に授業内容を合わせ過ぎると学力の高い生徒は退屈になります。反対も同じです。
授業が始まったので教室へ向かい、そこである子が机に伏せて大泣きしていたとなると授業どころではありません。
さて、どうするか?
その教員のリーダーシップやマネジメント能力が問われるところです。
感情が渦巻く学校現場には、そんな場面が日々あるのです。
私は現在、一般企業のビジネスマンを支援していますが、本当の理想に向けて学校や学級を運営していくということは、一般企業のビジネスマネージメントより難しいのではないかと常に思っています。
生徒、職員、親など、自分と価値観や常識が違う人たちを束ねたり、理想の状態に導いていくということは、精神的に大変ですし、かなり高度なレベルのスキルが必要になってきます。
しかし、このような中に身を置くからこそ、真剣に向き合うことで、人に対する関わり方や探求はすごく進み、人間力が鍛えられます。
教師として学校現場で過ごすということは、人間力が鍛えられます。
学校教育に携わった教師は、社会人にとって重要な能力を得られているという考え方はアメリカで進んでいて、転職の時に考慮されるという話を、以前聞いたことがあります。
日本ではまだごく一部ではありますが、そういった意識を持つ企業もあるようです。
教師のリーダーシップ、マネジメント能力、人間力。
ぜひ皆さんの関わりのある学校の教師を見てみていただきたいと思います。
全員とはいきませんが、必ず学校の中で何人かそういう人がいるはずです。
毎日、真剣に人と向き合い、生徒の将来を願って動いている人。そんな教師は思った以上に多いと思います。
教育のスキルや人間力は、まさに人とぶつかり合って磨かれていくのではないかと思う今日この頃です。
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