おはようございます、稲垣友仁です。
この土日は、宇都宮大学のグローバルサイエンスキャンパス(高校1年生対象の科学技術人材を育成するプログラム)で、選抜された生徒の1on1のパーソナルコーチングを行っていました。
ある程度の状態を聞いてから、40分ほどかけて、ホワイトボードに絵を描きながらコーチングを行っていきます。
将来のビジョンを明確にしたい生徒や、今のモチベーションを上げたい生徒、自分の研究テーマを明確にしたい生徒など、様々な課題・状態を持ってここに来ます。
どの生徒も真剣で、だからこそ短い時間の中でも、何らかの自分なりの答えを出して帰っていきます。
宇都宮大学が独自に行っているこの取り組みの名前をiP-U(incubation program for innovativestudents at Utsunomiya University)と言います。
生徒達は、自分自身の研究テーマを持って研究し、それを学会などで発表するという目標を持って、大学で新しい授業を受けたり研究したりしていきます。
ただそれをやるだけではなく、そのような活動を通して、将来的に能力を開発していけるようにプログラムが組まれており、上記のような1on1やグループコーチング、1か月に1回のリフレクションシートなども取り入れながら、プログラム全体として本人に問いを投げかけるような形で「気づき」を促すように構成されています。
この宇都宮大学が進めているiP-Uは、2015年から2018年まで、国の機関である、JST(科学技術振興機構)から助成してもらっていて、2019年からの4年間も再採択され、2019年度~2022年度まで第2期として継続することになりました。
とても狭き門で、本年度は3校(東京大学、広島大学、宇都宮大学)しか採択されず、さらに約10校近く提出された中で、再採択された大学は宇都宮大学だけでした。かなりすごいことみたいです。
「コーチングの手法を取 り入れた独自の受講生評価により、新たな人材育 成手法の開発が見込まれる」という点も評価されています。
「グローバルサイエンスキャンパス」平成31年度採択機関・企画一覧
http://mshn.jp/r/?id=0xthc34&sid=4758
教育におけるコーチングは、いくつかの特徴的な役割が3つあります。
・目標設定する
・進捗管理する
・動機づけする
最近の研究では、上記の3つの中で、コーチングのもっとも重要な役割は「動機づけ」だと言われています。
例えば、「頑張れよ」と、機械に声をかけてもらうのと、「頑張れよ」と人間に声をかけてもらうことがあるとしたら、人に声をかけてもらう方が断然やる気は上がるそうです。
また別の研究では、コーチングがどのような要素を満たしているときにうまくかを調べたところ、下記の3つの要素を満たしている時にうまく行くという結果になったそうです。
・プロアクティブ(前向き、積極的)
・パーソナライズ(個別対応)
・レギュラー(定期的)なサポート
今後は教育にAIが入ってくるのは明らかです。
そのような時代に「動機づける」ことと「パーソナライズ」することの特に二つは、今のところ人間が行うことが有効であり、私たち人間は、そのような関りの部分を開発していくことが、教育のみならず、我々が発展していくポイントになるのではないかと感じています。
参考文献:
グロービス講演
「藤原和博が問う!「稼げる大人」を育てるには
~AIロボット時代に先生は生き残れるのか?」
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