おはようございます、稲垣友仁です。
今日は、『ポジショニング』についてのお話をしたいと思います。
スポーツの世界では、技術と共に、『ポジション取り』がとても大切になってきます。
例えば、野球の守備で言うと、センター前に抜ける打球も内野手のポジション取りが良いと内野で捕球することができ、アウトにすることができます。
大谷シフトとか、王シフトとか言われるそのバッターにあった守り方をする方法があるのです。
サッカーで言うと、ポジション取りが良いと相手にボールを取られたとしても、ディフェンスが効いていて、相手の攻撃を防御できたり、また、すぐに奪い返して攻め続けることができます。
実はこれ、スポーツの世界だけでなく、コーチングの世界でも同じなんです。
コーチングの技術だけでなく、相手との『ポジショニング」で、その効果が断然変わってくるのです。
コーチが取る『ポジション』には、大きく分けて、以下の4つがあります。
1.「共感」のポジション
2.「俯瞰」のポジション
3.「主体」のポジション
4.「依存」のポジション
ちょっと見ただけでは、少し抽象的で分かりづらいかもしれませんね。
順番に説明していきますね。
まず、イメージとして、マニュアル車の車の運転を想像して下さい。
※車を運転しない方はすみません
コーチングを行う最初の出だしの1速目は、『共感のポジション』です。
ここでは、相手の気持ちを大切にし、うなづいたり、あいづちを打ったりしながら、相手の気持に寄り添い、相手を理解しようとする姿勢が大切です。
こうすることで、相手の緊張がほぐれ、安心感が二人の間に生まれるでしょう。
そのことによって、相手は自分自身の感情に気づいたり、自分を客観的に見る準備ができます。
これが、『共感のポジション』になります。
そのような状態が整ったら、ギアを2速目に入れます。
2速目は、『俯瞰のポジション』です。
『俯瞰のポジション』とは、出来事を客観的な視点で見ていく位置です。俯瞰とは、高い所から全体像を見ることを言います。
コーチ側は、俯瞰する位置(客観的な位置)に立ち、いろいろな視点で質問を投げかけていきます。
そうすることで、相手も客観的に自分自身を振り返ることができるようになってきます。
そして、3速目は、『主体的なポジション』になります。
コーチングでは、コーチの意見などは言わないと思われている方が多いのですが、特に私たちが提唱する『共創コーチング』では、相手に対して浮かんできた考えやアイデアは、積極的に相手に伝えるようにします。
相手のことをよく聞いて、相手の考え方を理解して、そこから解決策を導き出す、ということもコーチングでは重要なのですが、それだと、これまでの相手の経験値の中にしか、解決をするための情報がありませんので、時としてコーチ側からのアディアを積極的に出すことが、問題解決につながることがあります。
ですので、相手とのコーチングの中で浮かんだ考えやアイデアをティーチングしたり、相手に向けてのフィードバックは、相手に伝わる形で、この『主体的ポジション』の段階で積極的に伝えることが大切になります。
そして、最後の4速目『依存的なポジション』ですが、これは、反対の言葉を言うと相手を「主体的にする」ということです。
ここまでの流れで、相手は何をしていくべきなのかが見えてきている状態になっています。
それを自分自身で決めてもらうのです。
「今後、何をしていくのか?」行動計画や戦略などの決定を、コーチはできるだけ相手に委ねることが大切です。
もちろん、答えは、これまでの流れの中で出ているのですが、これをコーチの側から「これをやりなさい」ではなく、“相手の口から自分で言わせる”ことがとても重要になります。
以上のように、コーチのポジション取りは一般的には、1速~4速に向かって上がっていきますが、そのギア・チェンジするタイミングは、相手の状況に合わせて行っていく必要があります。
上記で示したように、相手の変化を見ながら、その都度、次のギアに入れていくという見極める目が必要になってきます。
このように『コーチのポジション』取りを上手に行っていくことで、コーチングの技術を最大限に活用することができ、より得たい効果を引き出すことができます。
『共創コーチング』は、その名の通り、相手と「共に」「創る」ことで、根本的な問題解決を行う、これまでにないコーチング・アプローチです。
指導的立場にある方、実際にコーチとして生業を立てられている方なども、スクールには来ていただいています。
ぜひ「共創コーチング」のスキルも追加で習得して頂ければと思います。
ということで、今日は共創コーチングの真髄のひとつ、『コーチのポジション』についてお話ししました。
今日からできることもあると思いますので、現場でご活用下さい。
コーチング・システムズ
稲垣 友仁
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