おはようございます。稲垣陽子です。
あなたは共感という言葉をよく聞きますか?
私は、コーチングだけではなく、営業や
ものづくりの現場でも、最近「共感力」という
言葉をよく聞きます。
共感力とは共に感じる力のことで、共感と同感は違います。
同感とは、自分の体験を通して相手の気持ちや
考えを理解すること。
「私も同じ体験をしたことがある。だからわかるわ」
というのが同感です。
それに対して共感とは、相手の立場になって
相手の考えや思いを同じように理解すること。
「私は同じ体験をしていないけれど、あなたが
思うことを感じることができるよ」
というのが共感です。
つまり、自分の体験の有無にかかわらず、
相手の状況や思いに対して同じ土俵に立って
言葉を発することができる人、
これが共感力の高い人になります。
では、実際に共感力の高い人はどんな人なのでしょうか。
私が、共感力が高い人と言って思い出すのは、
美智子皇后です。
阪神大震災後の慰問で、政治家などがスーツで
被災地を回っている中、美智子様は長靴を履き、
被災者一人一人の手を握り、
「頑張ってね」ではなく、
「頑張りましょうね」と声をかけたと言われています。
東北の震災後の慰問では
「大変でしたね」という代わりに、
「お辛かったでしょう」と声をかけていました。
つまり、土俵の外から相手を見て感じた
ことを伝えるのではなく、
土俵の中に一緒に立っていることを想像し、
そこから、相手自身が感じているだろう言葉を
想像して発しているのだと思います。
では、共感力を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか?
1、おうむ返しをする
まずは相手が感じていること言いたいことなど、
言葉のポイントをおうむ返しすることを意識してみましょう。
昨日はコミュニケーションコースを開催したのですが、
その中で、女性の方がこんな話をしてくれました。
彼女には4歳の息子がいます。
時々、息子が大人にはまったくわからない
ストーリーで話しかけてくるそうです。
怪獣が車に乗って宇宙に行く・・・みたいな、
普通に聞けば支離滅裂な話です。
一般的な親なら「それってどういうこと?」
ときちんと聞こうと思えば思うほど
質問をして確認したりするかと思います。
でも、彼女はおうむ返しを意識し、
「怪獣なんだね」
「車に乗るんだね」
とおうむ返しをしました。
そして、息子の話している様子から
「楽しいね」とおうむ返ししました。
すると、すごく嬉しそうに喋り続けたそうです。
こんな風に、人はおうむ返しをされることで
自分の話を受け取ってもらったと感じ取りやすくなりますし、
こちらも、おうむ返しを通して相手の土俵に入りやすくなります。
2、観察する
共感をするためにはよくよく観察することが大切です。
例えば、これから寒くなりますが、
外回りから帰ってきた部下が、
鼻を赤くし、着ていたコートからは冷たい冷気を感じたとします。
その時には、お疲れ様、だけではなく、
相手の状況を踏まえて、
きっと相手が感じているだろうと想像して、
「寒かったね」
と声をかけることで、共感された=理解された
という感覚が相手の中には高まります。
よって、共感力を高めるためには
まずは、相手を観察し、気付くことが大切です。
3、想像する
常に、人は自分と違う、ということを肝に銘じて
自分だったら・・・という視点ではなく、
この人だったら・・・という視点で
どうしてほしいかな、何を思うのかな、
と、想像をめぐらすことで共感力は高まります。
偶然ですが、車掌さんの例で2つ事例を
過去のメルマガで書きましたので、
ご覧ください。
共感力を磨く
http://www.coaching-syst.co.jp/2017/05/31/8149/
いたわり言葉をかけあう
http://www.coaching-syst.co.jp/2017/10/26/8252/
以上です。
共感は、個人的にはとても難しく、
自然と出来る人がうらやましいですが・・・。
共感するぞという視点を持つことで、
磨かれてくると思います。
ぜひ今週は目の前の大事な人を共感で関わってみてくださいね。