先日、私の友人のマンションで起こった出来事です。
マンションの駐車場を小学校3,4年生の子どもたちが鬼ごっこをして遊んでいました。
友人が注意しようかなと思っていたら、マンションでも最上級に怖いおじさんが車から突然出てきて、
「ここは駐車場だぞ!危ないやないか!」と一喝。
子どもたちは苦笑いしながら走ってどこかへ行ってしまったそうです。
友人が小学校6年生の息子さんと車を降りて話しをしていたら、息子さんが、「あいつら(3,4年生)全然大人の言うこと聞かないよ。多分、またやるで」と言っていたそうです。
案の定、1週間後に駐車場で、また鬼ごっこをしだしたそうです。
友人が注意しようと思った時に、近くにいた優しそうなおじさんが動きました。
その光景を見ていたおじさんは、鬼ごっこをしていた子どもに声をかけて、
「僕、危ないよ。ちょっとさあ、鬼ごっこしている子たち呼んできてくれる」と言って、すべての子どもたちを集めていました。
1分ぐらいで子どもたちが全員集まり、そのおじさんは言いました。
「おじさんが何でみんなに来てもらったかわかるかな?」
と聞くと、子どもたちは、顔を見合わせながら、お前が言えよと言わんばかりの態度でソワソワしていました。
そのおじさんは、その集団のリーダーぽい子をあてて言わせていました。
その子は、「鬼ごっこを僕たちがしていたから」といいました。
続けておじさんは、「駐車場で鬼ごっこをするのって悪いこと?どうして悪いの?」と聞きました。
そうすると、他の子は「危ないから・・・」といいました。
おじさんは、「へー、本当に危ないんだ?どういうところが危ないの?」と子どもたちに聞き返すと、
「車を運転する人は見えないから、急にでてくると当たってしまうかもしれないから」と答えました。
そうすると、そのおじさんは「そうなんだね、危ないんだね。危ないと思っている子は手を挙げてといい。(全員が手を挙げる)危ないのに君たちはやっていたんだね。君たちはそういうことをやっていた自分たちについてどう思う?」
と聞きました。
そうすると、「ほんとはダメなことを面白いからやってしまった。」とか「駐車場ではやらない方がいい」とか、意見をちらほら自分から話す子が何人かいました。
8人ぐらいいたのですが、その中の4人ぐらいが答えて、あとはシーンとなっていました。
そうするとおじさんは、「そうか、4人の子はそう思っていたんだね。他の子もどう思っていたのか4人の子が言ったので、友達だから、同じでもいいので言おうか」
と意見を促しました。
そうすると、7人ぐらいまで行って、最後に残ったのが学校でも意見を言えそうもない子が、もじもじしながら中々意見を言えずにしています。
周りの子どもたちが、頑張れと言わんばかりに、見ています。そうしていると、「鬼ごっこは危ないからダメだと思った」と答えます。
そうするとおじさんが、
「そうか、みんなそう思っているんだね。おじさんもみんなと同じかな。この件で誰かがケガとかすると、せっかくの友達関係が悪くなるよね。だからやめた方がいいなと思ってたんだ。」
「おじさんからはどうしろっていわないけど、さっき自分たちで言ったことを友達と守っていこうね。で、いい友達でいてください。」
と言って、帰っていきました。
それから、駐車場での鬼ごっこがピタッとやみ、マンションの中で走り回ることもなくなりました。
私たちは、目には見えない集団の雰囲気に動かされています。
そして、集団でプロセスを踏んで得た教訓は、強固な鎖のようになります。
ですので、小さいことでも本当に相手にわかってほしかったら、大ごとにしてしまうことです。
一度、集団でプロセスを通って、何かを掴むとたくさんの良いことが待っています。
一つは上記のような集団に自律機能が生まれるということです。
そして、もう一つは非認知能力がアップするということです。
「非認知能力」とは
→ http://mshn.jp/r/?id=0tjny34&sid=4758
最先端の研究で行くと、人間の成功に影響する力である「非認知能力」という力は、トレーニングでアップするよりも、集団の環境や雰囲気で高められるという研究結果が出ています。
上記のようなプロセスをたくさん踏んだ子どもたちは非認知能力が上がって行くということです。
一生懸命勉強を繰り返しやって行くことも大切ですが、それ以上に、仲間と失敗したことを考
えたり成功のために仲間と試行錯誤して成果を目指すこと、そしてその途中で何かをつかむこ
とが、将来的な、本当の意味での生きる力になって行くのです。
そう言ったプロセスを支援して行くには、コーチングスキルが有効なのは言うまでもないことだと思います。
非認知能力をアップする方法は、また次回の私のメルマガの時にお話にしたいと思います。
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