ある企業で、コーチをさせていただいている
女性リーダーのAさんは、今年、大きな成果
を出した一人です。
「新規プロジェクトの発案と実施」「上層部への
プレゼン」など、これまでやってきたことが実を
結び、大きな成果を手に入れました。
そんな彼女は、1年前と比べて、顔つきや言葉も
変わり、実際の成果だけではなく、本人の行動
や思考にも変化をもたらしていました。
一体、何がAさんを変化へと突き動かしたのでしょうか?
彼女に尋ねると、
「悔しかったから」
という答えが返ってきました。
実は1年前、Aさんの上司が会社を辞め、その
ポストが空きました。
順当に行けば、そのポストにつくのはAさんだと
思われていたのですが、彼女はそのポストに配置
されることはありませんでした。
Aさんは別にキャリア志向でポストを狙っていた
タイプではありませんでした。
しかし、人は、期待していた分、現実にそうなら
なかった時、失望したり、悔しく思うのはごく
自然なことです。
でも、実際には、私たちはなかなかこの
「悔しさ」を素直に認められなかったりします。
「悔しい」という気持ちを素直に認めることで
世界が変わっていきます。
先日、息子と将棋の対決をして、私の方が勝った
のですが、その後で息子が、
「最初から、僕、やる気なかったし!」
「負けてもいいもん!」
と泣きながら言うのです。
これって悔しいけれど、認めたくないという心の
声ですよね。
こんな風に、人は「悔しい」と感じたとき、同時
に、それを味わいたくはないという感情が働き
ます。
「悔しさをバネに」とはよく言われますが、しかし
悔しさだけでは、モチベーションとしてはあまり
長続きしません。
Aさんのように「悔しさ」をバネにするためには
1.悔しさをきちんと感じること
2.悔しさをきっかけに目標を設定すること
3.具体的な行動に落とし込むこと
例えば、将棋の例で言えば、
1.お母さんに将棋で負けて悔しいと認める
2.いつでもお母さんに勝てるようになる
3.詰め将棋の本を1日1ページ読む
というようなことになります。
悔しい!今度は負けない!だけではなく、
悔しい、だから●●を実現する、
と自分の中に落とし込むことが、現実を変えて
いく力となります。
今年も残すところわずかとなりました。
一年が終わるとすべてがOKになってしまいます。
来年に向けて動き出す前に、今年の「悔しさ」を
一度洗い出してみましょう。
その「悔しさ」を振り返り、そこから、具体的な
対応策を考えていくことで、初めて「バネ」となり
来年の成果につながっていくことと思います。