おはようございます。稲垣友仁です。
今日から宇都宮大学で「共創コーチング特論」の3日間の集中講義が始まります。
2008年から続いている上に、共創コーチングとういテーマをいただいた、私にとっては大切な場です。
今日も、どのような出会いがあるか楽しみです。
さて、今日は、相手の内なる才能を引き出すための方法についてお話したいと思います。
人が行動を起こす時には、ほとんどの場合、何らかの「狙い」があります。
それは、単なる仕事の目標というよりも、もっと精神的で深い感情的なものになります。
私たちはそれを「ニーズ」と呼びます。
私たちは自分自身の「ニーズ」を満たすために行動を起こしている場面が、多々あります。
例えば、私の場合、いろいろと行う仕事の裏には、「人に認められたい」というものがあります。
「いい人と思われたい」とか「すごいと思ってもらいたい」という潜在的な「ニーズ」を内に秘めています。
これを放っておくと、それを満たすためだけに仕事をします。
ニーズは、それを満たすために人に行動を起こさせるので、うまく使うことで、良い行動源にもなります。
しかし、その反対に、ニーズが満たされないと不安になり、ニーズを満たすためだけの行動を起こし始めてしまいます。
不安がまんえんしている組織の成員は、自分のニーズを満たすためだけの行動に終始してしまいます。
結果、組織としての生産性が落ち、目標達成は当然できなくなってしまいます。
例えば、不安がまんえんする組織があり、私がそこに属しているとします。
私のニーズは、「人に認められたい」というものです。
安心感のあふれる組織であれば、行った仕事が認めてもらえたり、他の方が協力してくれたりするこで、容易に認められているという感覚は手に入るのですが、不安がまんえんしている組織だと、互いにけん制し合いますので、承認などはなかなか手に入りません。
そうすると、私は、自分のニーズを満たそうと、そのニーズが欲しくて
欲しくてたまらなくなります。
そして何とかニーズを得ようとしていく中で、例えば、私のニーズが
「上司から認められたい」というものに変化したりします。
そうすると、上司から認められるためだけに行動し、顧客のことはそっちのけで仕事をしだしたりするのです。
当然、お客様に向いて仕事をしていませんので、信用や信頼がなくなり、それが売上に響き、会社全体の売り上げが落ちていくということに
つながっていくかもしれません。
不安がまんえんしている組織だと、自分のニーズだけを満たそうと、自分が生き延びることだけに精いっぱいになってしまいます。
人はニーズのために行動を起こします。
健康的なニーズであるといいのですが、組織に不安がまんえんすると不健康なニーズに変わってしまうことが結構あります。
(これまでも多く目にしてきました)
そうすると、本来持っている力を発揮しづらいものです。
これまで私がコーチングをしてきたり、また事例として研究してきている中で結果を出している良い組織は、互いのニーズを満たしあえているように思います。
そのような組織には安心感がある。
ニーズは、ある程度満たされることで安心が手に入り、その人本来の力を発揮することができます。
今週は、あなたの周りにいる人のニーズを見てみましょう。
「人に認められたい」「安心したい」「自分ならではの表現をしたい」「結果を出したい」「誠実でありたい」「必要とされたい」・・・などなど、その人の行動の裏にあるニーズは、いろいろあると思います。
ニーズに気づいたあなたは、そのニーズを満たしてあげてください。
「認められたい人」には、認めてあげる。
「誠実でありたい人」には、その人がいかに誠実かを伝えたり、その人の誠実さが表れるような行動を任せたりなど、
これは会社組織だけではなく、家族や友人など周りの人たちとの関係性を良くしていくためにも役立つものです。
相手のニーズを知り、それを満たしてあげることで、落ち着いてお話ができたり、場合によっては、すごい才能を発揮し出す人も出てくるかもしれません。
これが私たちの言う「共創力」の一つでもあり、ベースとなる考え方です。
ぜひお試し下さい。
コーチング・システムズ 稲垣 友仁