おはようございます。稲垣陽子です。
数年前ですが、コーチングさせていただいた企業の社員さんとショッピングセンターで出会ったことがあります。
ラフな格好で、家族を連れて歩いていました。
私はそのとき、一瞬誰だか気づきませんでした。
格好がいつものスーツではない、というのも要因だったかもしれませんが、
家族を前にして、嬉しそうに話している姿、生き生きとした表情は、コーチングで課題を話している時には見られない姿でした。
私は思わずその姿に見とれてしまったのですが、同時に、コーチとして大事なことに気づかされました。
「私たちはいつもその人の断片と関わっている」ということです。
今目の前にいる人はその人のすべてであり、すべてではないということ。
職場での顔、家族の前で見せている顔、息子だった頃、友だちの前で、苦しい時、楽しい時・・・
まるで多面体のように、都度光る部分があって、その中の一面を自分は見ていることに気づかされました。
コーチとしては、目の前に見えているその人に全力投球で関わるというやり方もありますが、
自分がどの面を見ているのかを知り、見えていない様々な面を感じながら関わっていくこともできると思っています。
今、目の前に起こっていることをこの人はこう捉えている、こう行動しようとしている、
でも、お父さんの時のこの人ならどう対処するだろうか、
10代の仲間に囲まれていた時のこの人ならどうするだろう、
そうやって、その人の中にあるこの関係性の中では光らない面に、明かりをともしていきます。
そこに、課題の糸口が見出せたりします。
人は大抵、目の前の関係性の中で、光る面が決められています。
そこで、今週は、目の前の人のいつもと違う面に光を点してみてください。
多面体としてその人が輝く姿は、神々しくも感じることでしょう。
良かったら試してみてくださいね。