承認の言葉は、直接相手に伝える場合と、間接的に、相手に伝える場合とがあります。
直接、面と向かって伝えてもらう承認も嬉しいのですが、間接的に、人から聞く承認はもっと効果があるようです。
曹洞宗の僧侶の方々にコーチング研修を行った時、間接承認の話をしていたら、担当の方がお経の一説に間接承認の話が載っているとびっくりされていました。
曹洞宗の開祖でもある道元禅師が作られた「修證義(しゅしょうぎ)」の中の第4章に次のような下りがあります。
『面いて愛語を聞くは面を喜ばしめ、心を楽しくす、
面わずして愛語を聞くは肝に銘じ魂に銘ず
愛語能く廻天の力あることを学すべきなり。』
要約すると、
「面と向かって、愛のある言葉(承認の言葉)をかけることは、その人の顔つきもやわらかくさせ、心を喜ばせる。
面と向かわずに間接的に愛のある言葉(承認の言葉)をかけることは、その思いは心の深いところまで染み渡り、魂にまで響く
慈愛の心から出た愛ある言葉(承認の言葉)は、運命を変えてしまうほどのすごい力がある」
承認の威力は何百年前からも伝えられていたのですね。
今日は、承認の言葉を誰かに直接伝えるのではなく、その知り合いに伝えてみましょう。
「~さんって、こんな良いところがあるんだよ」
「~さんに、~をしてもらって、とっても助かった」
間接承認は、本人に伝わるには、時間がかかりますが、その分ジワジワと聞いてくるでしょう。
もしくは、自分が他人から聞いた目の前の人の良いことを、目の前の人に伝えることも威力があります。
「~さんが、あなたのことを~って言ってたよ」
という感じで。
お試しあれ。
稲垣友仁(ジョニー)