11年前にコミュニケーションのトレーニングを3ヶ月間受けることになりました。
私のテーマを決めるためにアシスタントの人が一人ついてくれました。
きっと彼がいろいろと教えてくるんだろうと、私は少し構えていました。
しかし、彼は何をしたかというと、ただ私の話を興味深く聞くだけだったのです。
「へー、すごいねえ」
「なんで、こんな遠くまで学びに来ているの?」
「うわー、で、それからどうなったの?」
「最近の中学生ってどんな感じ?」
と、あまりにも興味深く聞くので、熱心に自分の考えを話していました。
自分では考えてもいなかったことに対してスポットが当てられているのですが、自分なりに、スラスラ答えている自分がいました。
そのようなやりとりをしていくことで、自分自身の考えがだんだん輪郭を現してきて、
「そうだ、自分のやりたいことはこのことだったんだ、このために学びに来ているんだ」と思えてきました。
そして、最後に私が
「自分から相手にコミュニケーションを取っていけるといいなあと思っているんですよ・・・」
と言ったら、彼は、その言葉をキャッチして
「あっ、それ、テーマになるんじゃないかな?」
と言ってくれました。
そのとき、はっとしました。
彼は、一言も私に教えずに、私の話を興味深く聞くことで、私に話させて、気づきをおこさせた。
私が探していたのはこれだ!
この方法だ!
と、感動したことを覚えています。
後から、このアプローチがコーチングという技術だったことに気づきます。
さて、今週は、相手に好奇心を持って、興味深く話を聞く1週間にしてみましょう。
今から会う人に好奇心を持って、沸きでてくる質問をしてみてください。
普段会っている相手にも、新たな好奇心を持って接してみましょう。
新たな気づきが起こるかもしれません。
稲垣友仁(ジョニー)