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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【共創コーチング®︎コラム】自分の弱さを使う

おはようございます。稲垣友仁です。

このメルマガでも何度か触れてきた「修士論文」について、
現在その中間のまとめを行っているところです。

私の修士論文のタイトルは、
『教師が弱さを見せるリーダーシップの実態とその形成プロセス』です。

これまで企業や教育現場で「人の成長」や「リーダーシップ」について
実践を重ねてきましたが、それを研究という形で整理し、理論的に検証していく作業は、
まったく違う学びの深さがあります。

今回の研究で扱っている「Vulnerability(ヴァルネラビリティ)」とは、
自分の弱さや未熟さを認めたうえで、それを隠さずに人と関わろうとする勇気のことです。

たとえば、失敗したことを正直に話したり、
迷っていることを生徒や同僚に共有したりするような行動です。

弱さを見せることは怖いことで、恥を味わいたくないので
私たちは理論武装をしたり実績を誇示したりなど、イメージで言うと鎧を着ようとしますが、
何かの大義のために、勇気を持って今の自分の弱さを正直に出す(鎧を脱ぐ)という姿勢が、
相手の心を開かせ、信頼や心理的安全性を生むことにつながるということなのです。

リーダーシップ研究や組織心理学の分野では、自分の弱さや不完全さを認め、
率直に表現することが、信頼関係を構築し、組織や集団における
心理的安全性を高める鍵になるという知見が注目されています。

今回の研究では、教師がそのようなVulnerabilityをどのように受けとめ、
それを授業や生徒指導の中でどう活かしているのかを探究しています。

たとえば、

・失敗を正直に語ることで生徒の安心感が生まれる場面

・自分の感情を抑えずに伝えることで関係性が深まる瞬間

・「完璧でなくてもいい」という姿勢が、チームや学級を動かしていく過程など、
現場の教師たちのリアルな語りをもとに分析しています。

この研究を通して感じるのは、「弱さ」は決してマイナスではなく、
むしろ人と人をつなぐ“力”になりうるということです。

今後はここからさらに、教師のVulnerabilityが、
どのような流れで言えるようになっていったのか?を明らかにしていく予定です。

中間審査に向けて、明後日までに論文を提出しなければならないため、
今日は短めのメルマガで失礼します。引き続き、
研究の進捗もこの場でシェアしていきますので、どうぞお楽しみに。

共創コーチング 稲垣友仁
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