おはようございます、稲垣陽子です。
人はとても自由に悩みます。
「部屋を片づけなきゃと思うけどできない」
「朝早く起きたいけど起きられない」
「企画書を書かなきゃと思いながら、つい後回しにしてしまう」
そんな「頑張ってやらなければと思っているのにできない」
――という相談を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そのとき、あなたならどんな声をかけますか?
「頑張らなくてもいいよ」と励ます人もいれば、
「どうしたらやれるようになるか考えてみよう」と解決策を示す人もいるでしょう。
では、コーチだったら?
コーチは励ますわけでも、解決策を与える人でもありません。
コーチが大切にするのは、次のような関わりです。
なぜ今「頑張ってやらなくては」と思っているのか?
客観的にみて、やれない自分には何が起こっているか?
つまり「今、ここ」で起きている内側・外側のことに意識を向け、
その人と共に見ていくのです。
コーチの行動基準の核にICFのコア・コンピテンシーというのがあります。
先日、5年に一度の改訂が発表されましたが、その点がより明確にされました。
たとえばこの一文が今回の改訂で追加されました。
「今この瞬間に、自己とクライアントの中で何が生じているかを常に意識する」
5.03 Remains aware of what is emerging for self and client in the present moment
つまり、慰めたり、未来への解決策を提示するだけではなく、
コーチは「今ここ」に共に在り、クライアントと共に感じること。
それが、今回の改訂で改めて強調されたポイントです。
「頑張ってやらなきゃ」と感じているとき、その人の内側ではどんな思いや感覚が動いているのか。
何がその人をそうさせているのか(外側)、
コーチはそこに寄り添い、共に意識を向けていきます。
ぜひ、上記のような相談をされたら、
「今、ここで何が起きている?」とまずは問いかけ、話を聞いてみてください。
励ましや解決策よりも、その人の役にたつかもしれません。
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