記事一覧
メルマガ「共創コーチング®」稲垣 陽子

【共創コーチング®︎コラム】別れ際に何を伝えますか?

おはようございます、稲垣陽子です。

今年は、戦後80年ですね。

私の祖父母は、戦前、仕事の関係で中国の旧満州地域(当時の呼称)に住んでいました。
戦後は日本に引き揚げ、そこからは日本での暮らしが再開します。
引き揚げの過程にはさまざまなドラマがあったようですが、
幸いにも家族全員、無事に日本に戻ってくることができました。

その後、家族が中国と関わることはありませんでしたが、
私が大学生の時(1990年代)、親戚一同で
北京ー大連ー長春を巡る中国東北旅行に行くことになりました。
大きな目的は、かつて住んでいた家を探すことでした。

当時、祖父母一家が住んでいたのは、長春の中心地にあった日本人用のアパート。
戦後50年近くが経ち、街並みはすっかり変わっていました。
頼りになるのは、当時中学生だった叔父の記憶と古い地図だけ。
それでも地元の方の助けを得て、ついにその家を見つけたのです。
しかも、ほぼ昔のままの状態で残っていました。

そこには、かつて女優だったという老婦人が一人で暮らしていました。
事情を話すと、快く、家の中を案内してくれました。
その老婦人は、戦時中、日本語を学ばせられていたため、
喋れないけれど、ほんの少し、日本語を理解していました。

束の間の歓談を終え、最後の別れの時。
老婦人は、一生懸命何かを思い出そうとしていました。そして、一言
「また、会いましょう」と日本語で言ったのでした。

その言葉に、私は衝撃を受けました。

正直、突然団体で押しかけてきた日本人にいい気はしないだろうと思っていたし、
また会いたいなんて思わないだろうと思ったからです。
私も、こんな遠くにまた来ることもないから、
もう会うことはないだろうな、くらいに思っていました。

でも、「また、会いましょう」と言われて、
「また来ていいんだ」「望めば、また会えるんだ」と感じたのです。

その後、私は大学卒業後に上海に渡り、働くことになるのですが、
全てはこの時の「また、会いましょう」に突き動かされてのことでした。

別れ際の一言

ちなみに、その老婦人とは7年後に再会を果たしました。

この出来事以来、私は「別れ際の一言」を大切にしています。
最後にどの言葉を選ぶか。逡巡を重ねた結果、たどり着いたのは、
「またね、また会おうね」です。

決して今日でご縁が終わりになりませんように、という願いをこめて、
軽やかに「またね、また会おうね」と伝えるようにしています。

あなたは、別れ際にどんな言葉を選びますか?

今週はお盆休みで、人と会う機会が増える方も多いでしょう。
普段は会わない人との出会いや再会もあるかもしれません。

そこで、今週は別れ際の一言を決めておくのはどうでしょうか。

「ありがとう」
「元気でね」
「頑張ってね」
「また必ず会おうね」
「友達になってくれてありがとう」
「出会えて嬉しかった」
「ずっと応援しているよ」
「何かあったらいつでも連絡してね」
「大好きだよ」

など、あなたがその人に一番伝えたい一言を別れ際に伝えてみませんか。

今週も素敵な1週間になりますように。

———————–

※上記のコラムは、当社発行メルマガに掲載されたバックナンバーです。
下記のバナーから登録いただけば、毎週月曜日朝8時に、このようなコラムが届きます。
意識をもって一週間を始めることができます。

一覧に戻る
10月25日(土)京都deリアルセミナー 「クライアントの人間関係をコーチする」