おはようございます、稲垣友仁です。
私は企業の人材育成に関わっていますが、同じく将来グローバルに活躍する科学者を目指す高校生達にも、コーチングを教えています。
毎年、そんな高校生から、
「人前でプレゼンする時に緊張してうまく話せません。緊張しないようにするにはどうしたらいいですか?」
という質問をよく受けます。
大人のみなさんならこの質問にどう答えますか?
30年ぐらい前は「手のひらに「人」という感じを書いて飲む」みたいなことを言う人もいましたが・・・。
そんな中、あるWebアンケート結果で、「あなたが恐怖を感じるもの」というものがありました。
6位ぐらいに「死ぬこと」が入っていたのですが、その時に、びっくりしました。
「えっ、死ぬことが1位じゃないの?じゃあ、1位は何だ?」
栄えある1位は何だったと思いますか?
なんと、「人前でのスピーチ」でした。
これを聞いてから、妙に落ち着きました。
私は講演を年間100本以上やってます。実は、いまだに、毎回緊張します。
密かにそんな自分にダメ出しをしていました。
「やっぱり、本当は話すの苦手なのかなあ」「もっと、きちんとしたところで学んだ方がいいのかなあ」と思っていたのです。
でも、このアンケート結果を聞いて、緊張してもいいんだ、あがってもいいんだ、人間ってそんなもんなんだ、と開き直ることが出来るようになりました。
緊張感というのは、うまくやりたいと思う裏返しです。
逆にこれがなくなったら、やばいです。
うまく行きたいと思っていないわけですので、いいプレゼンができないと思います。
緊張というのは、うまくやろうと思っている印なのです。
そう思えると、緊張しても良いと思えるようになり、緊張ということを脇におけるようになり、緊張感に影響を受けないようになりました。
緊張してもいいんです。そんなものなんです、私たちは。
そう伝えると、高校生はホッとします。
高校生の質問に正確に答えているわけではないのですが・・・。
緊張しない方法は、正直、今だにわかりません。
私たちは、ネガティブな出来事に左右されます。
しかし、ネガティブに感じたことの裏側にあるポジティブなものに向かっている構造を知ることで、私たちは落ち着きます。
これは高校生のプレゼンの話でしたが、ある意味、この高校生の質問のような不安を私たちはたくさん抱えていると思います。
「自分ってだめなんじゃないか?」
「他人と比べておかしいんじゃないか?」
でも、そう思うこと自体が、ポジティブな目標に向かっている、頑張っている証拠だと私は思います。
まずは、そういう自分に気づき、認めることが、改善へ向かうきっかけになるのではないかと思います。
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