宇都宮大学のグローバルサイエンスキャンパス(通称:iP-U)で、2017年度の最終授業として、修了生向けグループコーチングを行いました。
このプログラムは、将来傑出したグローバルに活躍する科学技術人材を育成するための高校1年生向けプログラムとして国の助成を受けて行われています。
生徒たちは、大学で行われるような授業を受け、興味を深め、そして力をつけていきます。
同じような助成を受けて取り組んでいる大学が15大学(京都大学、大阪大学、慶應義塾大学、名古屋大学、東京理科大学、など)ありますが、その中でも宇都宮大学のプログラムの独自性は、教育手法として「コーチング」を採用しているところです。
2015年にスタートし、毎年70名から80名の生徒を迎え入れているこのプログラムも、これで3年がたちました。
3年前に1年生だった生徒たちが、3年生となり、受験も終わり、各自進路が決まりました。
毎年10名程度、意欲が高い生徒達は、大学の研究室に所属して実際に研究を行っていき、日本や海外の学会で研究発表を目指します。
そのような生徒を、稲垣友仁が直接マンツーマンでパーソナルコーチングを行っています。
その生徒の中には、東京大学へ合格した生徒や、医学部などにストレートで入って行く生徒が何人かいました。
彼らは、やりたいことは、何でもチャレンジしていました。部活動はリーダーをやっていたり生徒会活動もやっていたりと3つ以上課外活動をやっている生徒が多かったです。
自分の好きな気持ちを抑えられない特徴の生徒が多かったように思います。人は好きなことと繋がっていると実現する力は強くなるのではないかと改めて思いました。
全ての生徒達は、毎月、成長報告書という1ヶ月を振り返るシートをコーチに提出し、それに対してコーチが赤ペンでコーチングを行うという作業も行っています。
この3年間、月初めに40名〜80名の生徒の報告書を見るのは大変だったのですが、生徒の一生懸命な書き込みに自分も応えようとたくさんの赤ペンを書いてきました。
成長報告書は、下記の5つの能力を伸ばすために、日常でどのようなことに取り組んできたかを振り返ってもらいます。
最近流行りの非認知能力も含まれています。
これらの結果を統計的に分析し、これらの教育方法は有効であったかどうかを見ています。
毎年集まる70名〜80名の生徒から選抜される10名ぐらい意欲の高い生徒達は、この5つの能力が、選抜されない生徒よりも全てにおいて高くなることがわかりました。
中でも、「執着力、未来想像力、発想力」の3つの数値は、より高くなることがわかってきました。
前日には、心理テストなどで有名な、図書文化社の応用教育研究所から心理特性の専門家を交えて、一人一人の心理特性に合わせた関わり方について、スタッフ間で研修&情報共有しました。
宇都宮大学のプログラムiP-Uでは、POEM(Prediction of Emotional Maladjustment)という心理特性を把握する心理検査を採用しています。
8つの心理特性(受容感、効力感、セルフコントロール、不安傾向、対人積極性、向社会性、攻撃性、原因帰属)を心理検査することによって、その生徒の個性の発見・理解を行うものです。スタッフ全員で心理特性を把握し、生徒の個性伸長に役立てています。
稲垣友仁がコーチングしている成長報告書も個人の心理特性に応じた形でコーチングフィードバックを行っていますし、応用教育研究所の専門家に定期的にスーパーバイズしてもらっています。
iP-Uでは、生徒のもともと持っている才能の種が将来大きく育つよう、あらゆるエビデンスを集結させ、次世代を見据えた教育の新しい形を提供しています。
スタッフ一同で情報を共有し、きめ細かく対応しているので、このプログラムを受けることで伸びて行く生徒がたくさんいますし、将来、何十年後かには本当にノーベル賞を取る生徒も出てくるかもしれません。
生徒たちにとったアンケートで、スタッフのサポート満足度は90%を超えています。
こんなiP-Uも4年目を迎えます。仕組みとしても成熟した状態で7月下旬に新たなスタートを切ります。
ぜひ周りに興味のありそうな高校1年生(科学に興味がある)がいたら、ご紹介ください。
このプログラムを受けることで、ある程度忙しくなるのですが、集まってくる仲間がすごいので、触発を受けてレベルが一気に上がります。宇都宮大学がある栃木県の生徒が多いのですが、2割ぐらいは東京や神奈川、埼玉、東北の方から意識の高い生徒たちが集まり、マニアックな話題で盛り上がり、切磋琢磨していきます。
何かわからないことがありましたら、事務局にご相談いただくか、当社にご連絡ください。