こんにちは。稲垣陽子です。
「才能」や「強み」を俯瞰できるようになることは、あなたの俯瞰力を磨く上でもとても大切です。
しかし、多くの人がこれらを認識することは難しいです。なぜなら、一般的に、何が「才能」や「強み」になるのかがわからないからです。
理由の一つには、子どもの頃から私たちは「才能」「強み」を意識して日常生活を送ることはほとんどありません。よって、「明るい」「元気」と言った当たり前のこと意外に、人の何を見れば「才能」「強み」があるのかポイントもよくわかりません。
実際に、企業研修などで「2分間で、思いつく限りあなたの強みを書いてください」というお題を出すことがあります。
何個くらい書けると思いますか?
80人に一人くらいの割合で10個以上書ける人がいますが、平均は2-3個を何とか思いついたというのが一般的です。
それくらい、私たちは強みを認識することが難しいものです。
子どもの頃から褒められたり、スポーツや芸術など才能を見つめる体験をしていれば、なんとなく「才能」「強み」についてイメージが湧くかもしれません。
しかし、それも、「才能」「強み」と認識するのも難しいようです。以前、いかにも野球をやっていたという体格の方にお会いしたことがありました。お尻が張ってて、肩がいかつく本格的に野球をやっていたような雰囲気です。
そこで、私は、「野球をやってたんですか?」「野球が得意ですか?」と尋ねました。
すると、その方が、
「いやいや、私は甲子園に出てないので・・(得意とは言えない)」と言ったのです。
甲子園に出てなくてもいいんですよ……と思ったのですが、「才能」「強み」というと、そのくらい、特別ですごいものでなくては、そうは言えないと思う人も多いです。
つまり、「才能」「強み」とは特別で稀有なものだと思っていると、自分の「才能」「強み」すら受け取れないのに、人のそれを俯瞰して見つける、というのもハードルが高くなります。
では、どうしたらこれらを俯瞰できるようになるでしょうか。
1、自分の「才能」「強み」を人に聞く
大前提に、何が「才能」「強み」になるのか、わかっていなければ、
どこに意識を向けて俯瞰すればいいのかもわかりません。
そのためには、どういうものを「強み」「才能」ということができるのか、まずは自分ごととして身を以て体感してみましょう。
そのためには、人に聞くことが手っ取り早いです。
以前、知人が話してくれたのですが、自分の強みが知りたくて両親や昔の友だちに聞きまくったそうです。
そのために自分が幹事になって同窓会まで開いたそうです。
そして、そこで「ねぇ、俺ってどんなやつだった?」
「俺ってどんなことが好きだった?」と聞きまくったそうです。
ある友人は「野球を一生懸命教えてくれて、あの時はすごく助かったよ」と話してくれたそうです。
本人は全く覚えていなかったのですが、そこから、
「そうか、俺は一生懸命教えたんだな、確かに今もよく教えるな、俺は教えるのが嫌いじゃないんだな。」と思ったそうです。
そう思った彼は、「教える」ことが自分の強みだと自覚し、今、講師やファシリテーターの仕事を率先して、嬉々としながら行っています。
このように、人に聞くことで自分が自然とやってきたことを「強み」「才能」として捉え直して見ることができます。自分自身のそれがわかれば、どういうところにそれらがあるのかがつかめてくるようになるでしょう。
2、「強み」「才能」を細分化する
あなたの強みは何ですか?と尋ねると、
「面白いって言われます・・・」「明るいところかな」「まじめだと思います」など、
とても大きな括りで捉えていることが分かります。
大きな括りで捉えると、その括りに入る人の母数も多くなるので、
「面白いって言われるけれど、Aさんも面白い人で、Aさんほどじゃないから、これは強みとは言えないな」
と、強みと認めづらくなります。
そこで、「強み」「才能」を細分化してみましょう。
例えば、「面白い」という強みがあったとしたら、
どんなところが、面白いのか、いつそう思われるのか、面白くなるために自然とやってしまうことは何か、など細分化してみるのです。
例
ものまねができる→観察力がある、聴覚が高い、
言葉づかいが面白いと言われる→頭の回転が速い
笑わせたいと思う→サービス精神が高い
そうすると、
単なる「面白い人」から、
「言葉や仕草を注意深く聞く観察力と、頭の回転の速さがあり、それを人を楽しませるために使おうとするサービス精神がある人」
と、変化させることができます。
このように細分化させることで、「強み」「才能」のポイントが広がります。
3、弱みをひっくり返す
強みを見なくては、と思うと難しくなるかもしれませんが、視点を変えてみると、強みが浮かび上がってくるというのがあります。
その一つに弱みを見ることです。
相手の弱みは何かを見て、それが弱いということは、枠組みを変えてみるとどういうことなのかと探求してみます。
例えば、うるさい、よく喋る生徒がいたとします。
でも、これを枠組みを変えて別の角度から見ると、うるさいくらいよく喋るということは、
「元気である」「意思がある」と見ることができます。
このように、相手の弱点を見て、それをひっくり返すことで「強み」「才能」が浮かび上がってくることがあります。
4、ボキャブラリーを増やす
「強み」「才能」のボキャブラリーを増やしましょう。
あなたは明るいね〜、面白いね〜だけだと、すぐに枯渇してしまいます。
「明るい人」というカテゴリーも、朗らか、元気、楽しい、愉快、笑顔になる、爽やか、清々しい、眩しい、など様々な言葉で言い換えることができます。
その人の何が明るいのか、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
そのきっかけとして、下記の本はお薦めです。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
どういう視点で「強み」「才能」を見ることができるのか、ヒントになります。