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お知らせメルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

【教育コーチング】セルフコーチングの有効性

こんにちは、稲垣友仁です。

現在、宇都宮大学が主催する高校生向けの科学人材育成プログラム『iP-U』に関わらせていただいています。

iP-U

(incubation Program fo innovative students  at Utsunomiya University)

 

このプログラムは、将来、グローバルに活躍する傑出した科学人材を育成するために、卓越した意欲や能力を持つ高校生を募集選抜し、大学の教授陣がプログラムを提供していくものです。

 

この取り組みは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が15大学(北海道大学、東北大学、筑波大学、宇都宮大学、埼玉大学、東京理科大学、慶應義塾大学、金沢大学、福井大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、岡山大学、広島大学、九州大学)に助成を行い、それぞれの大学が特色を活かしながらプログラムを組み立て、将来的に優秀な科学人材、ひいては、ノーベル賞をとるような人材をどのように教育していくと生まれるのかを競って開発していると言ってもいいと思います。

http://mshn.jp/r/?id=0s0jj34&sid=4758

 

宇都宮大学では、コーチングを教育のプログラムのベースにおくことで、他大学にはない、独自の教育方法を行っています。

 

コーチングの部分は私が全て担当し、

・セルフコーチング授業(必須科目)

・グループコーチング授業(選抜者)

・パーソナルコーチング(選抜者)

を行っています。

 

今年度で3年目に入りますが、成果を出しているという噂を聞きつけて、先日、国の科学技術振興機構(JST)の方が、わざわざ宇都宮まで、グループコーチングの授業の視察に来てくれました。

国が視察に動いたのは初めてだそうです。

 

まだ、本格的なデーター結果をまとめていないのですが、私が2年間関わった、肌感覚で得たものを今日は紹介しようと思います。

 

昨年度末に、学生達に下記のようなインタビューをしました。

 

このip-uに参加することで、

①学校の成績が上がった

②学校の成績が上がったものと、下がったものがあった

③学校の成績が下がった

 

ということについて、インタビューをしていきました。

 

特に、ip-uに参加することで、①成績が上がったと、答えた学生たちに、

「どの授業が一番良かったですか」と質問したところ、ダントツに多かったというか、ほぼ全員が、

「セルフコーチングの授業」と言っていたそうです。

 

予想するに、もともと忙しい中で成績を上げていく生徒は、自分なりのセルフコーチングの方法論を持っていたのだと思います。それを形には表せていなかったけれども、セルフコーチングという方法論を聞いて、どうも自分がやっていたことかもしれないということで、興味を持って取り組んだのではないかと推測しています。

 

詳しくは、もう少し細かいデーターに分けて現在分析を行っています。

 

この取り組みを見ていて、忙しい中でも自分自身をセルフコーチングし、結果を出している生徒には以下の2点の特徴があるように思いました。

 

1、振り返りの時間をとっている

2、成長報告書の文字数が多い

 

 

1、振り返りの時間をとっている

一人一人インタビューをしていくと、成績を上げている生徒たちの中で多かったのが、振り返りの時間をとることで見通しをつけられるようになりマネジメント効率が良くなったという声をたくさん聞きました。

生徒のパフォーマンスを上げる視点として、「振り返り」「見通し」という活動はキーポイントになるかもしれないと現在推測しています。

 

2、成長報告書の文字数が多い

毎月1回、自分の取り組みについて振り返る「成長報告書」を提出してもらっています。その成長報告書に対して、コーチである私がコメントしていきます。コメントといっても、コーチングのスキルを使って、質問したり、承認したり、フィードバックしたりがベースです。

コーチへの質問もたくさん書いてきてくれますので、1か月で70人ほどの生徒の報告書を見るのはかなり大変な作業ですが、質問に対してはこちらも真剣に返し、返した分だけ生徒も変化を見せてくれるので、とてもやりがいのある作業になっています。

そこで気付いたのですが、成果を出している生徒の成長報告書は、他の生徒より文字数が多く、文章が分かりやすい。

何を思い、何をやろうとしているのかがとても伝わってくる文章となっています。

それぞれ自分なりの「型」を持って文章を書いているように思いました。

 

教師をやっている時代から思っていましたが、文字や文章にその人の特徴や現状が現れるので、文字を見れば、何となくその子の現状が推測できたものでした。

 

自分の現状や内面での思いを「言葉にする力」がある生徒は、「成果を出す力」も同時に持ち合わせているのではないかと、現在推測し、そのような生徒は、どのような視点で文章を構成しているのかを調べています。

 

今後は、生徒が行なった活動に対して、どのような視点での振り返りを行わせると、生徒が自ら伸びるようになるのか、成果を出すようになるのか、というセルフコーチングの有効性について深めていこうと思っています。

 

また、わかり次第、メルマガなどでも報告していきますね。

【共感力】を磨く
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