共創コーチング®︎は、人を応援するためのツール【受講生インタビュー】
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〈受講生プロフィール〉
山口香(やまぐちかおり)

三重県立特別支援学校 校長。
同志社大学文学部英文学科を卒業後、三重県立高校の英語教師として勤務。
現場では、進路指導や人権教育、教育相談などを担当。リーダー的な役割を行いながら若手からの相談に親身にのるアネゴ肌。「教員特別長期研修制度」を利用し、1年間コンサルティングファームにて自治体の施策立案にも関わる。その後、三重県教育委員会生徒指導課課長も務める。

趣味は読書と映画鑑賞。最近、長年の夢だった「ひとりカウンターバーデビュー」を果たし、理想のスコッチウイスキーを探求中。

共創コーチングを学ぶことにしたのは、なぜですか?

教育委員会主催の研修講座で初めてコーチングと出会いました。
コミュニケーションはキャッチボールに例えられることや、タイプ分けなどを知り、もう少し勉強したら面白いかもしれないと思って、ジョニーさん陽子さんの講座に通うようになりました。
コーチングは進路決定や目標の達成に効果があると学んでいましたが、そのことをクライアントとして実感したくて、管理職になったとき、陽子さんにパーソナルコーチングをお願いしました。
その後昇進を機に、10年以上勉強してきたコーチングを自分の学びだけで終わらせず、形にしたいと思うようになり、共創コーチングの資格を取得しました。

パーソナルコーチングを受けて、具体的にはどんな効果を感じたのですか?

ひとつは、違う観点で物事が見られるようになったことです。
学校はいわば閉じられた社会であり、子どものとらえ方や指導の方法について、「こうあるべき」という物差しが存在します。長年その中にいると、学校現場固有の価値観で自分を縛っていることに気づきもしない。
そんな中で、教育とは別の世界で生きてきたコーチと定期的に話をすることは、「教育のあたりまえ」を別の視点でとらえなおしてみる機会になりました。コーチの提案は新鮮で、発想が柔軟になりました。
また毎日の生活の中でも、コーチング中に自分が話したことやコーチのコメントを定期的に思い出すので、自分に迷いがなくなったように感じました。
「コーチと約束したからには、次までに必ずやろう」と決めて、投げ出さずに取り組むこともできました。
管理職としての愚痴や本音をさらけ出し、思いを聞いてもらえてほっとしたこともありました。
コーチングを一定期間受けたことで、コーチがいなくても自分の中に「コーチの問い」が浮かぶようになりました。
「それを解決するためにどんな方法を思いつきますか?」「その中で、どれがいちばん良いと思う?」と尋ねる陽子さんの声や姿が頭に浮かび、独りで問いを立て、答えを考えることを繰り返します。
すると、複数の解決法それぞれのメリットやデメリットなどを第三者目線でとらえることができたり、誰かに相談するときも自分なりのポリシーや戦略をもって話ができるようになったりして、相手から明確な答えが引き出せるようになりました。

管理職として、教育現場でどのように共創コーチングを活かしていますか?

 90人あまりの先生全員と年に2回の面談がありますが、コーチングスキルを意識して関わっています。
時間はかかりますが、じっくり話を聞くと相手のことがよく分かり、どう支援すれば良いのかが見えてきます。
ある先生は、「やりたいことがいっぱいあるんです」と話してくれました。ところが、私は彼女の話す姿がなんだが楽しそうではないと感じました。
やりたいと話してくれたことのほとんどは、やらなきゃという義務感から来ているように思ったからです。
「もしかして、今の自分に自信がないの?」と尋ねると、彼女は、ぽろぽろと涙を流して、「そうかもしれません」と答えました。
「今のままのあなたで十分すてきだと思う。自分にないものを求めるより、自分が本当に好きなことをまずやったらどう?」と提案すると、彼女は少し考えてから顔を上げ、「私、舞台が好きなんです。観るのも演じるのも踊るのも」と答えました。
そして、今始めるならあれか、これかという話をして、ボーカルレッスンを体験してみようということになりました。
もし、コーチングのスキルを身につけていなかったら、私が一方的にたくさん話をしていたと思います。以前なら、これとこれを私から言って、相手にはこれとこれを聞いて、最後は『うまくいくといいね』で終わろう、と事前に決めていたでしょう。
今は、相手の本質をもっと見ようと思って面談しています。「この人は、なぜこう言うのだろう?」「本当はこの人は、どう生きて行きたいのか?」「この人は何が欲しいのか?」、そんなことを感じて、ときには相手に直接問いかけてみます。
相手が自分自身の価値に沿った生き方ができるように、一歩踏み込んだ提案やフィードバックの言葉を伝えています。

共創コーチングの講座で学んだことは、どのように役立っていますか?

 一番役立っていると感じるのは、「質問」のスキルです。
特別支援学校での勤務は、私の教師生活で初めての経験でした。分からないことだらけで、最初のうちは周りの先生に「これって何のためにやっているの?」「これまで、どうやってきたの?」と尋ねてばかりでした。
いろんなことを教えてもらっているうちに、「去年どおりですが、…そうですよね、何のためになんて考えたこともありませんでした」、「そう思われますか?やっぱりおかしいですよね」という、意外な反応が返ってくることがありました。
中には、「この学校に来てから、ずっと『おかしいな』と思っていました」という人もいました。
自分が納得いかなくても、そのことを問われなかったから、言い出すこともできなかった、もしくは気づかないふりをしてきたのかなと感じました。
人は、質問されないことはあまり考えないものだと私は思っています。私が周りを質問責めにしたことで、教職員が今までのやり方を改めて考えるようになり、実際に会議が減ったり書式が整理されたりして、効率的な仕事の進め方ができるようになりつつあります。

共創コーチングを使って、これからやっていきたいと思っていることは何ですか?

 ひとつは女性の人材育成で、女性管理職を増やしたい、育てたいと思っています。
管理職をめざす女性と話をする機会があったら、ぜひパーソナルコーチをつけなさいと勧めます。
女性管理職としての生き方のモデルは、あるようで実はないと思います。私自身も、素晴らしく優秀な女性管理職の先輩を見ても、「あれはあの人だからできた。私には真似できない」と思ってしまいました。
かといって男性の管理職の真似もできない。女性はオリジナルなやり方を探すことになるでしょう。
そこでコーチをつけ、コーチとのセッションを繰り返し、自分の仕事や生き方を整理していくと絶対にパフォーマンスが上がります。
あれもこれも手を出して自分でやってしまったり、目の前のことにおろおろしたりせず、自分の軸をしっかりと持って、ぶれない対応ができるようになるのが理想です。
管理職として自立して仕事を進めていくために、コーチをつけることは欠かせないと思います。
 もうひとつは、組織の活性化です。
同僚との間に共創が生まれるためには、「こういうことを言っても大丈夫!」という心理的安全性が重要です。
気づいているのに言い出すことができない職場風土の中では、個人としても組織としても成長がないと思います。
人の仕事が気になって口を出すと「じゃああなたがやってよ」と自分に仕事が降りかかる。だから、気になっても何も言わない。でも、そのことに対する不満は溜っているから、つい愚痴や批判を陰で言う。
そういう状況では組織として機能しません。一人ひとりが互いに関わり合ってこそ組織だと思うので、その関わりの中に共創コーチングのスキルや考え方を浸透させていきたいと考えています。

香さんにとって、共創コーチングとは何ですか?

私にとって共創コーチングは、“人を応援するためのツール”です。
生き方に迷っている人や頑張っている人に対してできることはいろいろあります。例えば奨学金やクラウドファンディングなどの金銭的な支援や、ボランティア活動のように労働力を提供することなどがそうです。
その中で今、私にできることは、その人達がイキイキと生きられるように、話を聞いたり、幾つかの質問をしたりしてコーチング的に関わることです。
共創コーチングを学んだことで、今まで以上にコミュニケーションで、「応援しているよ」と伝える言動が増えてきたと思っています。
子どもだけではなく、大人や関わる人々に対して以前よりもその人の才能や強みを多角的に見ることができるようになったからだと思います。
先日も、職員から「話をしたいのですが、いつ行っても誰かが話をしているので…銀行の窓口にある発券機みたいなの、おいてもらえませんか?」と冗談で言われました。いつでも話を聞きますよという私の姿勢は職員に伝わっているんだな、と嬉しい気持ちでいます。

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