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メルマガ「共創コーチング®」稲垣 友仁

陰口にある裏を読み取る

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この季節は、新年度ということもあり、心機一転、社員教育などに力を入れられる時期でもあります。

そんな中、あるクライアント様から実際に聞いた話がありますので、今日は、このお話からの気づきを共有したいと思います。

ある職場(美容院)に、女性上司と、女性の部下AさんとBさんがいました。

ある日を境に、女性部下Aさんは、女性部下Bさんに向かって、陰で女性上司の悪口を言うようになりました。

何日も続いたので、Bさんは、たまらなくなり、泣きながら女性上司にそのことを話しました。

それを聞いた女性上司は、ある行動を取ります。

さて、どのような行動をとったでしょうか。下記からお選び下さい。
? Aさんを呼んで、自分の悪口を言っていることについて、注意した。

? Aさんの満たされていない気持ちに気づき、Aさんをことあるごとに褒めた。

? 放っておいた。
さて、いかがでしょうか?

この女性上司が取った行動で、Aさんの陰での悪口はピタリと止まったそうです。

そればかりか、以前より元気に活動に身を入れるようになったそうです。

正解は・・・

? でした。
この女性上司は、Aさんがこのようになった原因を、彼女が認められていないからだと分析しました。
確かに、女性上司は忙しくて、Aさんに声をかける時間が少なくなっていたようです。
そのような自分を反省し、今までと態度を変えたそうです。
このような場合、よく取ってしまう対応が、?か、?です。
?の場合、陰口がなくなることもありますが、伝え方を間違えると、組織的に派閥争いまで発展することがあり、相当Aさんとの関係性ができていないと変化を生みません。

注意された瞬間にエネルギーが裏側に入りますので、違う人に悪口を言うか、反抗のエネルギーに代わります。

分かってもらえないというエネルギーが組織全体を巻き込む大問題にまで発展することもあります。
一方、?の場合は、自然消滅することもありますが、陰口を聞かされている、Bさんが辞めてしまう可能性が限りなく高まります。
陰で悪口を言うということは、良くない行動ではあります。
しかし、その一方で、陰口を言う理由があるわけです。
結果を出すリーダーは、その辺をよく分析してから行動を取ります。

陰で悪口を言っているということは、何かのサインです。このサインをどのように読み解くかが大切なのです。
原因のほとんどが、「不安」と「不満足」から来ています。
今回の場合、Aさんは一生懸命やろうとしていたのだと思います。

しかし、自分に自信がないし、自分ができているのか、できていないのか、上司の期待に応えられているのか、応えられていないのかが「不安」で仕方なかったのだと思います。
そういった「不安」を少しでも軽減する“言葉がけ”が彼女には必要だったのです。
女性上司は、自分自身のこととして振り返り、今回の件に対応しました。結果的にうまくいった事例です。
しかし、すべての場合において、ただ褒めればいいというものではありません。
場合によっては、的確に、ズバッと注意した方がいい時もありますし、様子見で放っておいた方がいい時もあります。
今日、お伝えしたいことは、

「悪いことだから、注意する。」

「対応が難しいので、放っておく。」
という、反応的な行動をするのではなく、当たり前ですが、そうなった原因を
“自分も含めて考えること”、
問題を何かのサインとして読み解く姿勢が大切だということです。
「陰口」という具体的行動の背景にあるものはなんだろう?

リーダーは、その裏を読み解く癖をつけたいものです。

そして、そうしたリーダーが「共創」を職場にもたらす真のリーダーになると思います。

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